「会って緊張する人」と誰かのファンでいること
『コンビニ人間』著者・村田沙耶香「普通に見える人たちも、じっくり話すと変なところがある」 - はたらく気分を転換させる|女性の深呼吸マガジン「りっすん」
- [名言]
“「小説家とは人間の職業ではなく状態だ」” / りっすんのインタビュー、テキストも写真も好き。
2019/02/20 12:40
私には「会って緊張する人」っていうのがあんまり居ないんですよね。
前はたくさんいたんですけど、っていうかほとんどの人が緊張する相手だったんですけども。昔はとにかく自分に自信がなくて、誰に会うにも「ああ相手をがっかりさせちゃうんじゃないかな」とか不安で緊張しまくってたんだけど、ある時、そういう気持ちの度が過ぎたのか、一回メンタルをやられちゃったことがあって、それ以来、なんかそういうのが全部どうでもよくなっちゃったんですよね。
ただ、まあそれはそれとして、そういう状態であってもやっぱり何人かは「会って緊張する人」っていうのが居るわけです。
私の場合はそれがある作家さんなんですね。
私には「作品を通して魂を救ってくれた作家」というのが何人か居まして。
そういう作品創りをされる作家さんというのは、私にとって「あしながおじさん」的な存在なんですね。会うことはないけど、一方的に私が施しを受けている、という意味で。
で、当然その作家さんとはまったく接点がなかったんだけども、2~3年位前に「全然違うルートから知り合った人が、実はその作家さんだった」という大変ドラマチックなことがありまして、今ではたまにお会いする機会があるんですよ。ありがたいことに。
その作家さんって知らないで会ってたころは、話してても全然緊張しなかったんだけど、「その人!」と知ってしまってからは、もう何度会っても緊張するんですよ。
別にその人は何も変わっていないなのに、私がその人のことを「知っているか、知らないか」の違いだけで、緊張したりしなかったりするのって、不思議じゃない?(そうでもない?)
私はその人の前では、ぜんぜん自分の本領が発揮できない。私の良さが出てない。緊張して自分でも何言ってるかわからないことを言ってしまう。
たぶんね、自分をちょっとでもよく思われたくて、空回りしてるんでしょうね。
そういう時は、自分の不甲斐なさにちょっと落ち込むんだけど、でもなんかそういう緊張感って最近なかったなぁと、ちょっと清々しい気持ちにもなるんですよね。不思議なもんです。
と、ここまでぐりぐり書いてて思ったけど、これって純粋に「ファンが推しに会えて嬉しい気持ち」だね。ずいぶん遠回りして気づいたけども、そう考えると誰かのファンでいるってやっぱりいいね。